世界平和第二部047話 真珠のペンダント(伊勢4)
おはらい町に入ってすぐに赤福の店がありました。
ふたりで赤福氷をわけわけしながら食べていると、
抹茶味のかき氷の中からなんと、赤福餅が現れました。
おはらい町を寄り道して宿泊先の神宮会館まで
歩くことにしました。
日曜日で、沢山の参拝客でにぎわっていました。
おはらい町の中のおかげ横丁の一角を曲がったら
神宮会館に行ける、とわかり、その角を曲がりました。
神宮会館に近づいた時、声なき声が
私を呼び止めた感じがしました。
おかげ横丁の端っこにある、真珠の小さい店でした。
声なき声を聞いて、足を止めると、そこから
「聞かなかったこと」にして素通りはできませんでした。
前もって調べた時に
「正式参拝ではアクセサリーをしていると
断られる可能性があります」と書いてあったので、
その日は、わざとしないで行きました。
そして、そのお店の前に来た時も
「真珠の首飾りなら持っているので(家にあるので)
買わなくてもいい」と思いました。
しかし、無視して素通りできませんでした。
さまざまな大きさ、種類の一粒真珠のペンダントトップがあり、
その中の「これ」という一粒が、私に訴えていました。
店のおじさんが「こっちが安いよ」と言ったものより
高くて(と言っても一般の真珠の店で買うより安い)
「これ!」という一粒にどうしても目が吸い寄せられました。
似たような真珠が山ほど並んでいるのに、どうして
「これ!」でなければならないのだろう。
「家に、一粒真珠のペンダントトップはあるのに。
買わなくてもいいのに」
だけれども、吸い寄せられるように、私はそれを買いました。
頭ではわからないけれども、
この真珠のペンダントをつけると
「伊勢神宮で正式参拝をした時に買った」記念になり、
いい思い出になりました。
家に帰ってから見てみると、家にあるものは
真珠に「金色」の金具がついています。
今回買ったものは「シルバー」の金具がついています。
ちょっと大人っぽい感じがします。
そして「正確な球」ではないのです。
正確な球の方が品種的には上なのだと思います。
しかし、正確な球だと、機械的な感じさえ受けます。
ほんのり、わからない程度の「たわみ」があるのです。
それが「アコヤ貝が懸命に幕を張って真珠を作り出した」
という「自然」な雰囲気を感じます。
今、これを書きながら、その時に買った真珠のペンダントを
つけています。
すると、なにか落ち着く感じがします。
自然と「世界平和を祈る気持ち」がわいてきます。
そして、
なにやらありがたいお守りのような感じもしてきます。
さて、神宮会館にたどり着き、部屋に入りました。
夕食まで1時間半の時間がありましたが、
私は疲れて、そのまま横になりました。
その時に不思議な夢をみました。
続く