Smileゆり(柳澤由理)のはてなきブログ

魂と身体から自信を取り戻す・世界平和のメッセージ

2015-01-01から1年間の記事一覧

ひろみの広い空18

自分はどうやらお腹がすいていると、落ち込みやすいのではないか、 ということである。 そして、美味しい物にめぐりあえば、意外に立ち直りは早いということである。 ひろみはおなかがいっぱいになってから、プロの絵本作家の史子から 花の枝がうまかけなか…

ひろみの広い空17

その絵は花はそのまま可愛らしい花ですが、 枝が太くてなっていました。 ひろみは言いました。 「おばさん、花の枝がうまくかけないなぁ、と思って 何度もかきなおして、線をうえから重ねているうちに どんどん太くなって、あーー、こりゃいかん、と思って …

ひろみの広い空16

ひろみはおばの史子の家まで帰ってきました。 摘み取った花がいっぱいのバケツをひろみが持ち、 玉ねぎがいっぱいの籠をジェームスが持ち、 食べたお弁当の容器が入った籠を史子が持って 帰ってきました。 犬のコリーが先に家に向かって走って行きました。 …

ひろみの広い空15

翌日は朝からひろみは史子とジェームスと犬を連れて、近くの山に散歩に出かけました。しばらく歩くと、広くなったところがあり、お花畑になっていました。「うわぁー綺麗! なにこれー、とっても綺麗!」ひろみは興奮して走り出しました。お花畑のなかをずん…

ひろみの広い空14

ひろみがおばの史子と一緒に山を降りて帰っててくると、家に明かりがついていました。「ワワワワン!」 犬の泣き声がしました。 コリー犬が家から出て来て、二人を迎えました。「あ~、よしよし。ヨーク、いい子だねぇ。」 史子はコリーを撫でました。扉が開…

ひろみの広い空13

「うん、そうだね。ひろみも、ひろみのお母さん、くにちゃんも、二人とも頑張っているね。」 「うん、めっちゃ頑張ってる!」 「じゃあね、今度はリラックスしてみて。」 「え? リラックス?」 「ひろみが大人な気持ちでいる時、お母さんも大人の世界を感じ…

ひろみの広い空12

「道が一本あって、同じ方向をめざして歩いている、というのはひろみとお母さんのくにちゃんが似ているということを現わしているの。」 「えー、似てるかなぁ。」 「似てるかどうかは横に置いておいて、話を聞いてくれる? これはたとえばなしなんだけど、違…

ひろみの広い空11

ひろみは驚きました。 「えー、だって、私がきちんとわかっている時にお母さんは私を子供だと決めつけて怒るし、私がどうしようかなぁと迷っている時には大人になれって言うんだよ。お母さんと私は似てないよ、全然違うよ、いつだって食い違ってばかりだよ。…

ひろみの青い空10

ひろみはひとしきり涙を流すと背中をさすってくれている史子に気がつきました。 「ひろみ、これを飲んで」 ひろみはおばの史子から渡されたお茶を飲んでゆっくり息を吐きました。 「あんたはいつもいきなりワァーとなるんだから、私はビックリするわ。」 「…

ひろみの青い空9

「ひろみ、はい、これ」 と言って史子は1本の胡瓜をひろみに渡しました。 「おばさん、ありがとう。」 と、ひろみは受け取ってから 「あれ? これ、食べていいの?」と聞きました。 「そうよ、今から《おひる》にするから、持ってきたおにぎりとこれとで、…

ひろみの青い空9

「ひろみ、はい、これ」 と言って史子は1本の胡瓜をひろみに渡しました。 「おばさん、ありがとう。」 と、ひろみは受け取ってから 「あれ? これ、食べていいの?」と聞きました。 「そうよ、今から《おひる》にするから、持ってきたおにぎりとこれとで、…

ひろみの青い空8

おばさんの畑に近づくと、トマトが実っているのが見えました。赤い色がはちきれそうな位に輝いていて、見るからに美味しそうなトマトです。 ひろみは思わず近寄りました。 「わぁートマト! 美味しそう! それに胡瓜!」 「ひろみ、はい、これの布袋に入れて…

ひろみの青い空7

史子は空きペットボトルと水筒にお茶を入れているところでした。 「ちょっと待ってね、お茶と水を用意しているから。それと、こっちの袋を持ってね。おにぎりが入ってるからね。」 「おにぎり、わぁい、楽しみ! おばさんのおにぎり、楽しみ!」 「そう? そ…

ひろみの青い空6

ひろみはつっかけを足にひっかけるように履いて土間の端まで行き、 そこでつっかけをぬいで裸足になり、二階への階段を上って行きました。 ひろみは足の裏で感じる木のぬくもりにほっとしたものを感じていました。 二階にあがったところの左手にある扉が開い…

ひろみの広い空5

ひろみは史子をじっと見ました。 「おばさん、お母さんとおばさんはいくつ年がちがうんだっけ?」 「ん、年のことはあまり聞かないでほしいな。」 「おばさん。」 「冗談よ。ひろみのお母さんの三つ上だよ。」 「三つかあ。中学三年生と高校三年生みたいな。…

ひろみの広い空4

「暑い夏でも足湯は気持ちいいでしょう?」 「うん。それにこれ、美味しいね、普通の紅茶じゃない。これ、なあに?」 ひろみはおばの史子から渡されたマグカップに顔をつっこむようにして言いました。 「いい香りでしょう。これはハーブティ。庭で育てたミン…

ひろみの広い空3

一軒家は山小屋風の家でした。森の中にあるお家といった感じでした。 三段の階段を上がって玄関の扉にたどり着きました。「松本」と表札がありました。 史子は扉を開けてひろみを先に通しました。 「はい、着いた。ひろみ、ご苦労さん。」 「はぁ~、おばさ…

ひろみの広い空2

ひろみは声のした方を見ました。 そこにはちょっと大きな花柄のワンピースを着た中年の女性がいました。さしずめアジアン・エスニックといった雰囲気。髪は無造作に束ねるようにまとめられていました。 「あ、クレア。」 「ひろみ、クレアじゃないでしょ。私…

児童文学『ひろみの広い空』1

ひろみは一人で慣れない駅のベンチにいました。夏のあつい日差しが照り付けていました。 そこは人気のない駅でした。足元に置いたキャンパス地のかばんには、お母さんから持っていくように頼まれた色々な物が入っていました。 その外側のポケットから一枚の…

はてなblog始めます。

料理写真公開用のAmebaブログも 持っていますが、 今回はてなblogを開始したのは、 私の絵本童話サイトのblog版を 作ってみようかなと思ったからです。これ用のキーボードまで買ったのです。これからよろしくお願いします。