世界平和０３５話 三輪山５ ヤマタノオロチの夢
大神神社参拝の前夜、私は夕食後に問答無用的な睡魔に襲われて
気絶するように寝ていました。
その夢の中に、大きな蛇さんが出てきました。
ゆったりと のどかな風貌の 大きな大きな白い蛇さんが出てきました。
言葉はないのですが、
なんとなくこう言っているのではないだろうか？
と思えるようなのが伝わってきます。
「あんたなぁ、
いつも世界平和を祈ってくれて、
ありがとう。
実はなぁ、ちょっとアレを見てくれへんか？」
蛇がうながす方をみると、
むこうのほうで、
きつい三角目をした人が、ほうぼうに、
ガァーガァーガァー気炎をあげている。
吠えるように悪態をつき、人を見ては噛みつき、
物を見ては不平を言ってがなり立てている。
うわぁ、ひどぉい。
じぃーっとみていると、その気炎をあげている人は
一人なのか、何人かいるのか、わからないくらいに、激しく動き回り
そのうちに、口から気炎をあげているだけにとどまらない、
だだだだだだだっ！ と 鉄砲で撃ちまくる。
それはまるで、戦争状態！
その人の周りはもうもうと煙が立ち上り、あちこち怪我人続出。
「うわぁ、なんで あんなことになっているんだ？」
と思いました。
その時、
蛇さんが「よぉく見てごらん」と言った感じがしました。
じっと 見ていると、
その戦争をおっぱじめている人は
どうやら人ではない、黒い蛇！
根元がひとつで、長い首がいくつも出ていて、
黒い鎌首をもたげている。
それはまるで「ヤマタノオロチ！ 八岐大蛇！」かっ！！
キングギドラが黒くなったかのような！
私が ぎょっとして見ていると、白い大きな蛇さんが言いました。
「最近、あぁいうの、多いのよねぇ。ひとの話を聞かないんだよねぇ。」
はぁーー、そうですかぁ！
最近の ブラックな風潮は ヤマタノオロチがとりついているんですかっ！
戦争、戦い、他人を攻撃する、自己中心的というような感じでしょうか。
大きな白い蛇さんは ゆったりとうなずきながら言いました。
「もっとのんびりいきましょう。
他人に秀でている部分があったら、それによって世の中がなりたっていると喜べばいい。
うらやむ必要はない。あなたも自分の中にも他のなにか、秀でているものがあるのよ。
だからスサノオと戦う必要はない。
ヤマタノオロチと戦う必要もない。」
私はそれを「へーーー」と言いながら聞いていました。
他人を攻撃している人達って「自分の中の正義感」で戦っていますよね。
スサノオの立場に立つと、相手がヤマタノオロチに見えてくるんだね。
そして「なんでやっつけるんや！」と言いながら
「被害者意識」に立つと、
ヤマタノオロチの立場になってしまい、スサノオと戦うんやね。
どっちの立場でも結局相手を攻撃してしまうので、同じだ、と
いうことなんやね！
だから、戦いをやめなさい、人を攻撃するのをやめなさい、
ということになるんやね。
そこまで思った時、
白い蛇さんが言いました。
「ヤマタノオロチと 私は 同じ『蛇』やけど、
おんなじに思われたら困りますよ。」
・・・はぁ、それはそうです。
蛇は蛇でも 全然違いますもんねー。
と 私が頷いて答えたら、大きなほんわかした白い蛇さんは
私が頷くのを見届けて消えていきました。
私は夢から目覚めかけました。
そして、ふと聞こえた言葉がありました。
それはこんな言葉でした…。
続く
