世界平和第二部34話 三輪山4 大国主命、出雲に左遷される?
梅原猛さんの本『神々の流竄』を読んでいくと
あれ?と見てみると
買った『神々の流竄』は梅原猛さんの著作集であり、
他の著書三、四冊分も一緒にまとめたものでした!
道理で分厚い、重いはずです!
『神々の流竄』に梅原猛さんは
それを読んだ方は
Mさんの知人の方がMさんに話したように
「八岐大蛇=三輪山」であり、
神話は、ヤマタノオロチを倒して
日本(大和)を平和にした物語だから、
神話の強力な敵=長すねさん(長脛彦)であり、
大神神社には、長すねさんが隠れて祀られている、
と考える人もいるのだと思います。
梅原猛さんはその後、古代史の研究を進めて
『記紀覚書』にまとめ直したそうです。
梅原猛さんはこの著作集の自序に
「三輪山をヤマタノオロチっていうのは、言い過ぎだったよ。
ごめんね、ヤマタノオロチに木が生えてるって書いてあるから、
≪ヤマタノオロチは三輪山くらい
デカイよ≫と書く位に
とどめておいた方がよかったかも~」
というようなこと(わかりやすく関西弁にアレンジしてます)を言っておられます。
さてさて
私は中を開いて『神々の流竄』と『記紀覚書』を読み
圧倒されました。
そういう神話が『古事記』でも『日本書紀』でも書かれています。
それは藤原不比等が、そういう風に物語を作って書かせたからである、という説です。
仏教を推進する豪族と
神道を推進する豪族の戦いがあったそうです。
聖徳太子の頃には仏教推進側の豪族が勝ち、
仏教を国の中心軸として国策が作られ、
大きなお寺や仏像が作られました。
仏教はその当時最新の技術を兼ね備えた渡来人が
伝えたもので、漢字もそのうちの一つです。
神道を推進する豪族が負け
仏教を推進する豪族が勝ち、
朝廷は仏教を中心として国を建てて
行きました。
しかし、神道側の勢力を無視することはできなかった
ようです。
それで、どうせなら神道の神話を作ってしまおう
ということで、
古い先住民の神が屈服させられ、
天照大御神の血統の者が君臨するストーリーの
新しい神道、新しい神話を作り出したようです。
山や色々なところに神々がいます、という、
のほほん、おだやか~な世界観でした。
藤原不比等がハンドルを握る大和朝廷は次のような
ストーリーを考えたようです。
(細かい所は端折って大筋のみ書いています)
- 昔古来の神様大物主、大国主命が、
そのもともとの日本の神道の神様をまとめた。
- そこに天照大御神の使いが来る。
この国は「天照大御神の子」の神様が
支配するので、明け渡しなさいと命じる。 - 大国主命の息子と使いが戦って 使いが勝つ。
大国主命が支配していた国を天照大御神に
明け渡す。 - 大国主命はその代わりに出雲の国に神殿を作ってもらい、
そこに隠退して住む。
大和の国の神様、大物主、大国主命は
(大和朝廷からみたら)都合の悪い存在だったようです。
それで大国主さん、出雲の国に左遷されたようです。
(出雲の国は、島流し部屋、左遷部屋?)
だから梅原猛さんのこの本は
『神々の流竄』というタイトルなのね。
島流しなのか。
うーん。
調べていくと、実際
島流しに似た神事が伝えられている神社もあるそうです。
朝廷から見て都合の悪いものは、
かたづけてしまえ、と、祓われてしまい、
病や天変地異がおこっては、祟りじゃ、と騒いで、
神社にまつりあげて祈られます。
でも、祓われる側の神々は一体どういうお気持ち
なんだろうか? と思いました。
日本の平和のために、神々に祈るけれど、
大和朝廷という政府の要人から見た、
「エゴ」だけではないのか?
しかし、梅原猛さんの本を読んでいると、
国土をまとめるというのは、大変なことである、
ということも伝わってきます。
それを「エゴ」とジャッジするより、
「やはりそういう形でまとめていったのだなぁ」
という感じがしました。
こういうことを考えていると、
三輪山に登る日が目前になってきました。