世界平和第二部084話 秋の伊勢研修3 神様はありのままを受け入れる
伊勢神宮の清掃奉仕の研修のツアーに参加して、
はじめに内宮の御正宮(ごしょうぐう)で御垣内(みかきうち)参拝をしました。
ツアー参加者全員で御垣内参拝をしたあと、御正宮の階段を降りる時、私は自分の胸の奥に、ふしぎな感覚があることに気づきました。
当日は朝からなぜか罪悪感にかられていました。
その罪悪感がひとかたまりになって、錯乱しかけていたのが
「う、う、う、う」と言っています。
どうしたのかなぁ、と思っていると、その「罪悪感さん」はこんな事を言いました。
「わたしのような者まで、神は受け入れてくださると言うのか・・・・・」
えぇ? なになに?
さっきの大所帯で一斉に御垣内参拝をした時、私は自分の心や体の感覚がどうなっているか、感覚を研ぎ澄ませる余裕はなかったし、団体行動を共にしているだけで終わってしまった、と思っていたのに、いつのまにそんなやりとりをしていたのだ?
罪悪感さんは、なおも続けて、心を小さく震わせて言いました。
「『このような私はダメだ』と思ったのに、
神様は、
このままで、何もしなくても、受け入れてくださると言うのか!」
それを聞いて私は驚きました。
まるで御正宮の御垣内で、神様(天照大御神)から
「そのまま、受け入れてもらった」ようですね???
「何もしなくても、そのままでいいよ」と言ってもらったようですね???
いつの間に! 私が気づかないうちに!
罪悪感さんは、なおも言葉を続けました。
「なんと、もったいなくも、ありがたい言葉・・・・・・」
そう言って、千々に乱れながら、喜びにうちふるえていました。
苦しみながら、喜び始めている、という感じでした。
それを聞いて私は「罪悪感さん」に向かって言いました。
「そうか!
神様は『ありのままのそなたでいい』と言ってくださったか~。
良かったですね~。」
「罪悪感さん」は、涙を流しながら言いました。
「う。う。う。罰当たりな感じがします~。」
それに向かって私は言いました。
「いやいや、神様は罰を当てませんよ。
だから、あなたも自分で自分を罰してはいけませんよ~。」
罪悪感さんは
「はい~~~」と言って、小さくなっていきました。
この経験は私にとても大きなものをもたらしました。
私達はよく遠慮したり恐縮したりしながら自己評価を低くして、
幸福から自分を遠ざけます。
「未熟な私」とか
「いやぁ、まだまだです」とか
「私、まだまだいけてないです」とか
色々な事を言います。
プラスのものごとが自分の前にやってきても
「私にはそんな資格はありません。まだ修行が必要です」と言って
遠慮して受け取らず、遠ざけてしまいます。
神様はそんなことを求めていないかもしれません。
大手をふって歩いて、喜んで楽しんでいいのかもしれません。
私達人間が、勝手に苦行をしたり、苦しんだりしているのかもしれません。
私達人間の誰一人として「完璧な人間」はいません。
「その欠けている部分があっても、そのままでいい。
欠けているままで、そのままでいらっしゃい。」
と言ってくださったのですね。
こんなにもわかるように、伝えてくださり、
感謝しています。
そのあと、研修ツアー参加者の全員で、神道の博物館に行きました。
そこで思いがけない展示がありました。
つづく