第4部44話 踊る立体曼荼羅と最敬礼の朝（真名井御前と空海５）

東寺の早朝特別参拝に参加した日の夜のこと、

その日は朝からずっと出かけていたので、
くたびれたのか早く床に入りました。

それから、立体曼荼羅の夢を見ました。

曼荼羅の絵

1つの仏様の周りを

輪になった仏様がぐるぐると廻っていました！

「踊る立体曼荼羅！」の夢です。

いくつもの輪と四角い枠状に並んだ色とりどりの仏さまが

輝きながら、天体の星々の動きのように、

見えない力のバランスを取りながら

まわっているのです。

東寺の講堂のところで、案内の僧侶の方が

「ここが胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅を組み合わせたもので」

と話していたこと、

なんとなく、ぼやっと聞いていただけでしたが、

それを目で見せてもらったかのような感じでした。

翌日の朝、目覚めた時

「よくわからないけど、こういう夢を見たって事は

もしかして、空海さんの魂、受け止められたって事かなぁ？」

と思いました。

その、早朝参拝の翌日の朝のことです。

「踊る立体曼荼羅」の夢からめざめて私は

いつもどおりに観音様のところに行き、

手をあわせました。

私はほぼ毎日観音様に「南無阿弥陀仏」を唱えてから
般若心経や他のお経を唱えるのですが、

その日はなぜか観音様に手をあわせたら

そのまんま、頭を90度の角度にさげ、

最敬礼のお辞儀をしたまんま、何分かそのまんまでした。

「南無阿弥陀仏」の「な」も言えない。

何のお経も唱えられないけれども、
頭をさげたまんま5分以上じっとしていました。

しばらくして、なんとなく
「もういいよ」と言われた気がして
頭を上げると
「今日はお経はいいよ。ご苦労さん」

と言われたような気がしました。

しばらくして、

友人からメールがきました。

続く