第四部21話 金堂の薬師如来(薬師寺2)
薬師寺の西塔に行ったあと、金堂に行きました。
金堂は二つの塔にはさまれるようにしてあります。
中に入ると、薬師如来がいらっしゃいました。
大きくて迫力があります。
左右には日光、月光の両菩薩が脇仏としておいででした。
「あぁ、これは京都の東寺の金堂もそうだった」
と思い出しました。
東寺は真言宗のお寺だけれども、
東寺のご本尊は大日如来ではなく、
建立された当初からずっと薬師如来。
(写真は薬師寺の蓮 2021年7月)
とにかく病気になったら平癒することが大事。
だから東寺でも薬師如来がご本尊になるんだな、と思いました。
そんなことを思いながら手をあわせ、書いてある真言
「おんころころせんだり、まとうぎそわか」を唱えました。
すると、「歴史の厚み、重み」が伝わってきました。
奈良時代の昔からこんにちまで、なんと多くの方々がこの薬師如来の前で祈られたことだろう、
そしてこんにちでは、新型ウィルスの流行が世界を席捲しています。
そう思った時、言葉にできない感覚を感じました。
そこから大講堂へ行きました。
続く