第四部34話 白衣観音様(一切経の歴史4)
寶蔵院の一切経の版木がおさめられた蔵を見せて頂き、その蔵から出る時のことです。
数枚の黄色い紙で、仏画の版画が置いてあるのが見えました。
それは売り物としている、仏画版画の見本の紙でした。
(写真は購入して後に額装して頂いたものです)
白衣観音様、といえば、私が心理学も身体の勉強も何もしていなかった、20代のある日、白衣観音様が私の目の前に現れたことがあります。
(参照動画 【漫画】願いを叶える観音様の話
https://youtu.be/Rx99L6xauOQ)
その体験があるので、「観音様」というと、「白衣観音様」というイメージがあります。
観音様の仏画はよくありますが、白衣観音様の絵は意外に少ないので、
「これはご縁だ、買おう」と思いました。
念のために心の中で観音様の絵に向かって尋ねてみました。
「観音様、買おうと思うのですが、よろしいでしょうか?
つまり、わたしどものおうちに、お越しいただけますか?」
すると
「いいですよ」
と返事があったような気がしました。
それで寶蔵院のお坊さんに「これを一枚買います」と言いました。
その時寶蔵院の住職がおいでになり、主人と私はお茶を頂きました。
そこで私は、玄奘さんのことを調べてその人生を漫画動画にしていることをお話しました。
そして、漫画動画の第四回目の「般若心経との出会い」の動画を見てもらいました。
【漫画】三蔵法師玄奘(げんじょう)ものがたり
般若心経翻訳者 ④般若心経との出会い
https://youtu.be/T4MLx_3bL9E
「この動画が正しいとは言いません。
玄奘さんの『般若心経』との出会いの逸話はいくつものパターンがあります。
その中から、動画にするには、これだなと思う物語を描きました。」
と言いました。
また、般若心経は「鳩摩羅什が初めに翻訳」して、のちに「玄奘さんが翻訳し直した」ということも、この動画でさらっとふれています。
寶蔵院の住職は、ふむふむとうなずいて見てくださいました。
そこにお坊さんが席を外してすぐに戻って来られました。
「先ほど『買います』と言われていましたのは、こちらの『白衣観音様ですね』」と念を押して見せてくださいました。
「はい、その通りです。」と言いますと、
もう一枚の紙を見せて「よかったら、こちらもご一緒に」と言われました。
それは「般若心経」の紙でした。
それもただの「般若心経」ではありませんでした。
続く