第四部26話 最古の「大唐西域記」がある!?(薬師寺7)
平山郁夫さんの壁画を見た後、閉館の時刻が迫っていたので、急いで薬師寺の入口付近にあった、お土産物を売っているところへ戻りました。
物販の物は布をかけて「今日の営業はおしまい」になっていました。
私は係の方に「この棚の左端の本がほしいんですけど」と頼み、『玄奘三蔵と薬師寺』という本を買いました。
家に帰って、買った本を開きました。
すると、ぱらっと一枚ページが落ちてきたようで、ビックリしました。
「わわ!買ったばかりなのに!
一枚剥がれた!落丁か?」
と思って、その紙が出てきた所を見ると、
なんと!
『大唐西域記』の写真が3つ掲載されたページでした!
「あぁ、『大唐西域記』!
玄奘さんの映画を見終わった翌日に、この本を図書館で借りたんだった。
図書館で借りたその足のまま主人の実家にいったら、
義父さんに『NHK特集シルクロード、見る?』と聞かれて、
驚愕したんだった。」
と一連のことを、
ほやっと思い出しながら、ながめていました。
するとこんな文章が目に入ってきました。
『大唐西域記』は京都の興聖寺に所蔵されており、それが現存する最古の写本である。
(『玄奘三蔵と薬師寺』法相宗大本山・薬師寺発行 36ページ)
ええええええ!? なんだってぇ?
『大唐西域記』の写真の説明を見直すと
『大唐西域記』巻第一
と書いてありました。
えええええええ!
785年。空海さんが生まれたのが774年だから、空海さんが11歳の年のもの!
えええええ!
京都の興聖寺は2年前はよく行って、友達と一緒に庭掃除をしていました。
忙しくなって昨年は数えるほどしか行っていません。
今年は3月11日、東日本大震災の記念日の法要の時に行きました。
法要の後で参加者の皆さんとお茶を飲んでいた時、興聖寺の住職が
「玄奘三蔵法師といえば、西遊記の話の実在した人物で、その人の書いた旅の記録の『大唐西域記』、それはうちの興聖寺の蔵にあります。うちにあるのが、現存する『大唐西域記』の最古のものだそうです。いつか機会があったらお見せしましょう」
と言われました。
その時は
「最古かどうかはわからないけど、あるのはあるんだろうな」
と軽く思い
「住職、お願いします。是非見せてください」
とお願いしました。
その住職の言われた「最古の『大唐西域記』がうちにある」というのは、文字通り本当だったんだぁ!と驚きました。
その時、さらに驚くことがありました。
つづく