Smileゆり(柳澤由理)のはてなきブログ

魂と身体から自信を取り戻す・世界平和のメッセージ

世界平和第二部14話 仏教は慈しみ(興聖寺2)

京都の上京区にある未公開のお寺、

興聖寺織部寺)で、2019年3月に行われた

友人の画家、渡邉敬介さんの

東日本震災の復旧の大巻紙の展示を手伝いに行った時、

興聖寺の住職が紙芝居をするというので、

見せていただきました。

 

住職は渡邉さんの100mの絵をすべて写真に撮影し

そのうち12枚を選んでオリジナルの物語を

作り上げられたそうです。

会期中毎日会場で上演されていました。

 

住職の紙芝居は、とても感情がこめられていて

主人公の男の子が「さみしいよぉ」と言う場面では

思わず、う、と心が動かされて涙が流れました。

 

仏教の教えが伝わるお話になっていて

住職の仏教への思いが伝わってきました。

 

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仏教といえば、こんなことがありました。

お手伝いに参加している時
住職と他の方のお話が聞こえてきました。

小乗仏教ではなく、大乗仏教の考えで、云々」

 

渡邉さんが住職に質問しました。

「住職、小乗仏教大乗仏教というのはどう違うのですか?」

 

住職は答えました。

小乗仏教は 個人の解脱を目的とするもので、
大乗仏教衆生全てを苦から救うことで、利他の精神です」

(こちらを参考に https://biz.trans-suite.jp/14743

 

渡邉さんは

「・・・ということは、

小乗仏教は利己的、大乗仏教は利他的ということかな?」

と言いました。

 

その時、隣に座っていた私は、こんなイメージがしました。

それは

山の洞穴にこもって修行しているお坊さんが、

穴から出て、里におりて、村の人々と交わりながら

修行して身につけた教えを人々に伝えている。

そういうイメージです。

 

そのイメージを渡邉さんに伝えました。

 

渡邉さんは、フムフムと話を聞いて

小乗仏教は自分個人の解脱を目的で、

自分がよければ良い・・・の個人主義

利己主義になってしまうことがあるんやね。

一人でこもって修行するのは、

周りのサポートがあってのこと

だから修行できたら、お返ししないといけないよね。

そこで、利他の精神、大乗仏教になるんやね。」

と言いました。

 

私は頷きながら言いました。

「仏教では慈愛とか慈悲の心が大事と言いますね。

その『慈愛』は

自分を愛する、の『自愛』ではなく

『慈愛』です。

その慈愛の『慈』っていうのは、

慈の中に糸が二つあるでしょう?

糸というのはご縁のことなんですよ。

糸は結ぶとか縁とかの字とも関連あります。

糸が二つあるから

自分と他人なんです。

自分と他人の二つの糸を

同時に乗せる大きな心がある、

と書きますでしょう?

慈しみは自分も他人も

大事にする心を持つことなんです。」

 

渡邉さんは、頷きながら聞いてくださいました。

 

それは私が知っていた訳ではなく

その時、たまたま私の後ろからか、上から

教えてくれる存在がいて

それをそのまま話しただけです。

 

その存在が、渡邉さんと私に教えてくれたような

感じがしました。

 

糸が二つ、大きな心の上に乗っている

「慈」の文字。

 

渡邉さんの絵画、住職の紙芝居、興聖寺一切経

いずれも慈しみ助け合う、利他の精神が大切だと

語っているように思いました。

 

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その「一切経」が収められている蔵が去年(2018年)の台風で蔵がこわれてしまいました。蔵には大事な「一切経」がそのまま保存されていて、早く修理しなければいけません。

 

経箱約五百に収められた「興聖寺一切経」は、平安時代に書写された五二九四巻にも及ぶ膨大な経典で、「西遊記」で知られる玄奘三蔵法師による『大唐西域記』の日本最古の写本も含まれているそうです。

殆ど欠本がなく、良好な状態で保存されているそうです。

 

その蔵の修理費を集めるための勧進企画として、

今回(2019年3月)友人の画家渡邉敬介さんが

東日本大震災を描いた100mの絵巻物を

興聖寺で展示していました。

 

またその翌月にも蔵修繕勧進企画として

金剛流お能が上演されました。

その時もお手伝いさせて頂きました。

 

次回は興聖寺さんとのご縁について書きます。

続く