第五部06話 最御崎寺1 (御厨人窟6)
御厨人窟(みくろど)、神明窟、灌頂ヶ浜を見た後、最御崎寺(ほつみさきじ)にお参りすることにしました。
そこは山の上の方にあるので、車で行く必要がありました。
(時間の関係で)
駐車場に車を停めたら、お寺への石段の横に「お迎え大師」の像が立っていました。
最御崎寺の正式な名前は、「室戸山、妙定院、最御崎寺」といいます。
後から知ったのですが、最御崎寺は
明治5年まで女人禁制で厳格な修行の聖地だったそうです。
石段を上がり、坂を登っていくとなぜかおしゃれな灯籠があり、そこには、チベット仏教の「ダライ・ラマ法王」をはじめとする世界の偉人の顔が彫り込まれているのでした。
「仏教だけじゃないんだね」と主人は言いました。
「そうだね」と私は言いました。
「こういう世界の平和や人類全体のために尽した偉人達の功績を称えたり、祈ったりして、
『こういう良い人たちがいた』ということを忘れないようにしましょう、ということなのかもしれないね。
とても良いことだよねー」
仁王門を通り、境内に入りました。
右手に立派な鐘楼がありました。
なかなかに風格がありました。
そこの前には「NHKゆく年くる年の除夜の鐘として、5回登場した」ということで記念碑が建てられていました。
多宝塔を横にみて、本堂に行きました。
上がり口に雲と龍の凄い彫刻がありました。
お寺の入り口などの雲や龍があるのは、ここから先は
「俗界」ではないよ、お寺のお坊さんは俗人ではなく
「雲水」と呼ぶように、
清浄なる寺の領域に入るんだよ、ということを表しているんだよ、
ということを、
子供の頃、父親が竜安寺で教えてくれたような記憶があります。
それ以後お寺にお参りするときは、俗界ではない清い所にお参りさせてもらっているんだと思うようにしています。
続く