第五部07話 うめきころげまわる 最御崎寺2（御厨人窟7）
四国八十八ヶ所の24番札所、最御崎寺(ほつみさきじ）にお参りしました。
本堂を上がったところには素晴らしい雲と龍の彫がありました。
その時その下あたりに(本堂の右側）
赤い仏様「びんずる尊者」(びんずるさんと呼ばれている）の像がありました。
お参りしたときは、それが「びんずるさん」だとは知りませんでした。
(びんずるさんは体の痛いところがあれば同じところを撫でたら治ると言われています。）
ちょっと変わってるけど空海さんの像だ、と思いました。
「空海さんの生涯を調べてYouTube動画を描かせてもらったことのお礼」
を言いました。
その上あたりに雲と象の彫があるのが視野に入りました。
その時に思い出しました。
「そういえば、2年前、2020年の正月明けに、名古屋の日泰寺、お釈迦様の頭の骨があるお寺にお参りして、その年に約1年がかりで、空海さんのことを描いた。」
そこから思考がぶっ飛びました。
「動画作成していったのは
次にお釈迦さんの順に取り組んだと
思っていたけど
もしかして
お釈迦さんの真骨を祀っている日泰寺にお参りしたご縁で、
空海さんの動画を作成するご縁を繋がせてくれたのかしら？
空海さんもお釈迦さんも
雲の上の、神々、仏様の世界にいてはる
遠いところの人と思ってたけど
このお寺にそろっておいでになられるような・・・」
その時目の前のびんずるさんが言う声が聞こえたような気がしました。
「お釈迦さまから見たら
この広い世界のなかで、
あんたが自分でお釈迦様を遠ざけてるだけ。
あんたが世界をものすごー小さく限定させてるのだ。
私ら釈迦、空海、仏の世界からみたら、
あんたらのやってることは筒抜けやのに、
なにを隠したりジタバタしてるのか
目の前にあるのに、なぜ遠ざけるのか？」
私はパニクりました。
「そんなこと言われても
今まで一生懸命届こうとして
苦労してきたのに」
びんずるさんは言いました。
「そんな苦労、
はじめから要らないんだ。
でもあんたは苦労してきたんやね。
受け止めていいよと言われて、
はい、と受け取れないんだね。
ということはつまり、
本当は受け取れるということ。
『受け取れない』というのは
『受け取れる』ということだよ。
自分が受け取らないだけのこと。
もっとわかるように言うならば、
知らんもんは受け取れない。
でも知ったのなら受け取れる。」
そこまで聞いた時、どこからか識別不可能なほど
すごいエネルギーが伝わってきました。
それは思考を超えていました。
目の前に光る正三角形が見えました。
正三角形は４つに分かれ、
４つに分かれた三角形はさらに細かく正三角形に分かれて、
万華鏡の反射のように広がっていくのが見えました。
正三角形が無限に分かれながら広がっていく。
それを見せられて、あぁそうか、と思いつつ、
頭のどこかでは理解できない、受け止めきれませんでした。
しばらく軽いパニック状態が続きましたが、
その時ふっと
「つまり「エネルギーは無限」と言うことだろうか。」
と思いました。
「エネルギーは無限」という言葉が出てきた時、
ようやく少し落ち着くことができました。
それでも主人の運転する車に乗りながら、
「でも、まだまだ」と抵抗するような感覚もあり、
受け止めきれず、うーーん、と、うめいていました。
続く
