第三部021話 ありがたい水 眞名井8
緩やかな山道をのぼっていくと、
「しめばしら」(標柱、注連柱)がありました。
しめばしらの左側には「眞名井神社」
右側には「よさの宮大神宮」と彫った石碑が立っていました。
(「よさの」の漢字の変換ができないので、写真をご覧ください)
左手前には眞名井神社には色々な呼ばれ方をしてきたそうで、
その呼び名が書かれている説明の石碑がありました。
しめばしらをくぐると、左手に
お地蔵さま「波せき地蔵」がありました。
このお地蔵さまのところまで波がやってきて、
この位置で波が切り返したのだそうです。
当時の人は、お地蔵さまが大津波を押し返してくれた
という風に感じたでしょうね。
それでありがたがった事でしょう。
その横に御神水があり、そこで手を洗う所や
お水を頂ける所がありました。
眞名井神社は名前に「井戸」があるから、
水にちなんだ伝説などありそうですね。
それだけでなく、階段の上り口には「狛犬さん」ならぬ
「狛龍さん」が石段の左右においででした。
阿吽になっていました。
レンさんから聞いた話によると、
真名井神社の狛龍さんは
水を自在に操ることができるのだそうです。
対(つい)になっている二つの珠を持っておられます。
『しおみつたま』『しおひるたま』という名で
海幸彦・山幸彦の伝説とも関連性があるとか・・・。
そのことと、水せき地蔵さまと関係がありそうですね。
この時は気づかなかったのですが、
お参りした後で、ふと思いました。
この日本に住んでいる私達は、日々何の迷いもなく、
水道の蛇口を捻って水を出して、
料理に使ったり、沸かしてお風呂に入ったり、
洗濯に使ったりしています。
水が綺麗で安全というのは、この上もなく
ありがたいことなんだ、と、今更ながら思いました。
さて、話を元にもどして
石段を上がっていくと、
「この先撮影禁止」と書かれていました。
そこから石段を上がって行くと拝殿がありました。
拝殿の左右は柵があり、柵の向こうに
磐座(いわくら)や
神様の名前が彫られた石碑があるのが
ちらりと見えます。
以前は、奥の磐座まで行けるようになっていたそうです。
今は柵があって、行けないようになっています。
それはそれでいいのではないかと思います。
拝殿のところで、あるがままを、そのままに
受け止めて祈らさせて頂きました。
続く