第四部30話「法顕さんがいた」(鑑真和上3)
「鑑真和上と戒律のあゆみ展」の会場に入ってすぐに見た展示品が
「法顕伝」だったので驚きました。
私は三蔵法師、玄奘について調べているうちに、玄奘さんは法顕さんが書き残した「法顕伝」を読んでいるらしい、ということを知りました。
それで「法顕さん、て、どんな人?」と思って、
法顕についてしらべると、途方もないことがわかりました。
法顕(ほっけん)という僧が昔中国におられました。
三蔵法師玄奘の約200年前にことです。(玄奘は602年生まれです。)
当時の中国では仏教の律が伝わっていなかったので、
法顕という高僧が60代という年齢にもかかわらず、
インドに旅立ち、十数年かけて旅をし、
80歳直前の年齢に帰国しました。
法顕は戒律に関係した経典を持ち帰り、帰国してから漢語に翻訳しました。
60歳こえてから中国からインドに経典を取りに旅行しようって思いますか?
5人の僧と一緒にですから、一人ではないですが。
でも帰国したのは法顕さん一人だけだったのです。
一人はインドが肌にあったのか「インドで仏教を学び修行する」と、インドに残りました。
一人は雪山の遭難で亡くなられました。
それ以外の三人は旅の途中で、「後から行く」とその地に残られたりしました。
それぞれの事情です。
70代後半の、80歳寸前の年齢で、一人、経典を持ってインドから帰ってくる、てすごいことだと思いませんか?
しかも帰路は、海路です。船で一気に帰ってくるのです。
私は「法顕伝」の経典を見て思いました。
「鑑真和上展」を見に行ったら、
「展示会場の一番目のお部屋に法顕さんがいてはったわ」
という印象です。
法顕がインドに求めたのも、律の経典でしたから、戒律の僧である鑑真和上とつながっていますね。
「三蔵法師玄奘ものがたり」の動画に「法顕」について描いているものもありますので、ごらんください。
三蔵法師玄奘ものがたり(6)
兄との決別~法顕との出会い
https://youtu.be/mAq-pJn1QCI