第四部22話 弥勒菩薩という人がいた!(薬師寺3)
薬師寺の金堂からすぐ大講堂に入りました。
中には「弥勒三尊像」がありました。
パンフレットの写真より
また「如来」というのは「菩薩より上」の、悟っておられる存在です)
調べましたらこのように書いてあるのがありました。
56億7千万年後の未来に、この世界(現世)におりてきてくださり、我々を救ってくださるということです。
その時まで、どのように救おうかと思案されているのが、弥勒菩薩なのだそうです。
それに対して、「56億7千万年後」に「救ってくださっている姿」が「弥勒如来」なのだそうです。
(「未来仏」です)
それとは別に、
薬師寺の法相宗の元になる「瑜伽行唯識学派」の開祖である学者で「弥勒菩薩」と呼ばれる人物がおられたそうです。
大講堂の弥勒如来の左右には、二人のインドの高僧の像がありました。
この二人は兄弟で、法相宗の開祖です。
一人は兄無著で、開祖の「弥勒菩薩(如来)」から唯識の教えを受けました。
もう一人は弟世親で、兄の教えを、論書にまとめた、ということです。
ということは、
大講堂の「弥勒如来」は一般的に知られている「未来仏」よりも、
法相宗の開祖として「唯識論」の教主である、と見る要素が高いですね。
唯識論は、まるで心理学です。
私たちの意識のなかには「阿頼耶識」(潜在意識とほぼ同義)というものがあり、
その中にある種子(価値観、物事の基準)が
一人一人がちがう為、受け取り方も行動も違うのです。
極端な見方をすれば、ある意味、一人一人が間違っているとも言えます。
私たちは、ありもしないことを妄想したりして苦しんでいるんだ、
ということを悟れば、「自分だけが正しい」と思い込まず、他人をゆるすことができる
という教えのようです。
弥勒菩薩と呼ばれる「人物」がいらっしゃったと知るのはとても新鮮な感じがします。
続く