第三部055話 高野山宿坊に泊まる(二度目の高野山2)
その日は、お盆が近い、八月の日曜日。
朝から絵に描いたかのような「晴天」
「夏休みの絵日記」に描きそうな青空でした。
本来なら夏休みで「高野山にお参り」する人で
ごったがえし、のはずです。
しかし、大阪のミナミから南海電車に乗っても
一車両に数名しかいない・・・。
乗り換えて高野山に近づくにつれ、
「この車両、私達しかいないよね。」
と 主人と二人で言っていました。
極楽橋でケーブルに乗り換える為
ホームに降りた時、各車両から一人ずつしか
乗客が降りなかったのを目撃して
「うーん」と思いました。
高野山ケーブルは私達以外に
三人しか乗客はいませんでした。
ケーブルの天井の窓は換気を良くするため
少し開いていました。
綺麗な鯛の絵が描いてありました。
めでたい感じ、福々しい感じがするなぁ
と思いました。
なのにたったこれだけの少人数。
勿体ない・・・。
高野山駅からバスに乗って「苅萱堂(かるかやどう)前」で下車。
三宝院の門をくぐり前庭が見えました。
曼荼羅を自然石で表現したような石庭が綺麗でした。
宿坊と言うけれど、ほんまのところ、
お寺に泊まらせてもらう、と言う感じです。
お昼に京都出発で、高野山の宿坊に着いたら
もう夕方の五時を過ぎていて、くたびれていました。
チェックインし、お部屋に案内されました。
その夜のお泊まりのお客様は、
私達ともう一組の二組しかいなかったそうです。
・・・新型ウィルスの影響ですね・・・
お食事は当然ながら「精進料理」。
宿坊で蔵元に特別に作っていただいている日本酒も頂きました。
玉依御前(たまよりごぜん)だそうです。
https://secure.daishichi.com/category/select/pid/111
お酒は普段飲まないのですが、ほんの少しだけいただきました。
心も体も洗われるような、美味しいお酒でした。
その夜はお風呂に入って、寝ました。
(続く)