第三部78話 補聴器が壊れた(Aさんへの伝言2)
朝がきて、私はなかなか起きられませんでした。
その日は主人と一緒に真言宗のお寺にお参りすることになっていました。
Aさんと会うのはその翌日です。
新型コロナウィルスの関係もあって、多分いつもより参拝客は
少ないめだったのだろうと思います。
ご本尊の「薬師如来」に手を合わせてお祈りし、出てきたところで
その横にある「釈迦如来」が祀ってあるところへ足を踏み出した時、
鼻がむずむずしてきました。
参道のちょっと外れに行って、マスクをとり、鼻をかみました。
そのマスクをとる時、右耳にかけてあった補聴器が外れました。
鼻をかみおわってから、それにきづいて、補聴器を探しました。
するとちょっと離れたところにいたおじさんが
「これ、落としたで」
と言って、補聴器を拾って渡してくれました。
「ありがとうございます」
と言って受け取った時、
補聴器のつるの所が割れていました。
ビニールの管が割れているのなら替えたらいいけど、
この「つる」の部品がこわれたのなら、
補聴器屋さんに持って行って、
部品の取り換えができるかどうか
聞くことになります。
正月休みが明けてからでないとその店には行けません。
家には替えの補聴器があるので、いいのですが、
その日と翌日のAさんに会うのは、補聴器なしですごさないと
いけません。
仕方がないので、主人に丁寧に耳元で話してくれるように
頼みました。
Aさんと会う時も、主人に通訳してもらえるよう
頼みました。
翌日、主人と二人でAさんに会いました。
続く