Smileゆり(柳澤由理)のはてなきブログ

魂と身体から自信を取り戻す・世界平和のメッセージ

第三部032話 素通りできない(初夏の仁和寺5)

五大明王が描かれている裏側の壁画に

まわりこむ、角のところに、

一人のひとがいらっしゃいました。

正確には「人」ではありません。

「位の高い人の姿をしている像」です。

見るからに高位の皇室の方、という

雰囲気なのです。

他の参拝者が素通りして、
五大明王壁画の説明を聞いているのに、
私は、その手前の角っこで、

角におられる方にむかって
頭を下げています。

頭を下げずにはいられないのです。

あやゃゃゃ!


例えばあなたが道を歩いていて、
とつぜん天皇陛下ご一行が通りかかる
ところに出くわせたとします。

どうしますか、

わわわわわ、と言って、
下がって道をお譲りするでしょう。

それと同じレベルのことが
そこで起こりました。


その「角にいらっしゃった人」は
どなただと思われますか?

光孝天皇」です。

天皇ですよ!

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光孝天皇 ウィキペディアより



像なんだけれども、まるで生きた人が
そのままそこにいらっしゃるかのように
リアルに高貴な雰囲気を感じて、

頭をさげずにはいられませんでした。

それもなかなか頭をあげられないのです。

頭ではわかりませんが
身体が
「ぃゃぃゃぃゃ、私のような下々の者が
陛下の前を通るなんて恐れ多い!」

という風に反応を示すのです。

何回か頭をさげているうちに、
「まぁ、もうよいわ、行きなさい」と
言われたかのようで、
やっと前を通ることができました。

裏の壁画のところに進むと、
それこそ物凄い迫力の五人の明王様の
像が壁に描かれていました。

つづく