河合隼雄さん、プライバシーを守る
- トラウマ解放セラピストの柳澤由理です。
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河合隼雄さんといえば 日本にカウンセリング
というものがなかった時に 海外で勉強して
普及に努められました。
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はじめのうちは そんなん科学じゃない
と ボロカス言われたけど
それでも 治っていかれるので、
だんだん 認められるようになってきた
ということが書いてありました。
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本当に なにもないところから された
というのは すごいことだなーと思います。
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そういうの、本当に感心して読ませて頂きました。
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河合隼雄さんの本を読んで すごいなぁと思うところは
いくつもありました。
前ページでも紹介しました「タクシーの運転手さん」の
話は すごいことやなぁと 思いました。
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あと、「プライバシー」について、です。
河合隼雄さんが日本に帰ってきて
日本でカウンセリングをしはじめた頃
その頃の日本には「プライバシー」という
ものがなかったのだそうです。
「こどもがカウンセリグで
カウンセラーに何と言ったか?」
それを こどもの面前で
親も教師も 堂々と カウンセラーの河合隼雄さんに
尋ねる、って ことがあったのだそうです。
☆(@@)☆ほんまかいなぁ~!
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大体はこういうことでした。
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ある学生が 自殺未遂をした、ということで
入院している。
河合隼雄さんがカウンセリングで その原因を
本人から聞いて その理由を知る。
「そうか」と 思い、勿論 誰にも言わない。
すると
その後、その自殺未遂をした人の病室で
その本人がいる前で
その本人の親と教師と河合隼雄さんが顔を
付き合わせた。
その時、教師が河合隼雄さんに
「先生、この子の自殺の原因は何ですか?」と
臆面もなく 尋ねたのだそうです。
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それで河合隼雄さんは
「それが、わからんのです」
と 白を切って すっとぼけたそうです。
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すると 教師が
「わからんのですか?」と聞くので
河合隼雄さんが
「はい、カウンセリングしたのですがわからんのです」
と言うと
教師が「カウンセリングとか何とか言っても わからないんですか」
と なぜかうれしそうに言うので。
それで
河合隼雄さんが
「そうです。人の心っていうもんは なかなかわからんもんです」
と言って、
「心はわからないもの」というように方向を変えて
親も教師も 矛先をそっちに向かわせた、というのです。
☆彡
うむー、それは、凄いことや!
と思いました。
その場で、河合隼雄さん以外に
入院患者である、自殺未遂した学生だけ
河合隼雄さんが 口外しなかったことに
気が付いてるのです。
☆彡
「カウンセリングの河合先生は 黙っていてくれた」
と言うと そのクライアントの学生と 河合隼雄さんの
間に 絆ができるのです。
☆彡
まわりから カウンセリングなんてあてになりませんね、と
やじられながら、
いやー人の心はわからないものですよ、
と お茶を濁しながら さらりとかわす。
☆彡
うむー、おぬし、よくやりよるな、ってなもんです。
あの、
プライバシーなんてない時代。
私が小学生の頃なんて、ほんまにそうやったと思います。
子どもの問題は 親と教師が 隠し立てせずに
そのまんま 面前に おもてだって 話し合えばいい、
とされていた時代。
☆彡
でも
その自殺未遂した学生は 同性愛の人だったのだそうです。
いま、ではなく、当時ですから
それは うむーーー おもてに出せないやろー。
河合隼雄さんは プライバシーがない時代において
プライバシーを守るということを 守ってこられた
というのは 素晴らしいことだ、と思いました。