二人の女性3 聖子と明菜
A子とB子。
二人の女性の 幼馴染で腐れ縁の友達関係を
紐解いていっています。
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「もう少し整理してみましょうか」
紙に絵を描きながら説明しました。
↑B子 ↑A子
こうなっています。
注意
「明菜百恵タイプ」というのを
「明菜タイプ」にまとめます。
聖子が ハート 明菜を ダイヤに 例えます。
ハートのクィーンと ダイヤのクィーンが います。
ハートのクィーンは 本当はダイヤなのだけど
「ハートがいいんだぁ!」と言って、
ハートのマネをして ハートの仮面をつけていますが
本当は ダイヤのクィーンです。
ダイヤのクィーンは 本当はハートのクィーンなんだけど
「私はダイヤで生きるんだぁ!」と決めて
ダイヤのマネをして ダイヤの仮面をつけていますが
本当は ハートのクィーンです。
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B子
この図の真ん中の線から下は 本当の姿です。
(黄)ハート仮面のクィーンは 実質は(赤)ダイヤなので、
目の前にいるダイヤのクィーンがにせものだ!と
かんづいていて、ヤイヤイ言います。
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A子
(黄)ダイヤ仮面のクィーンは 実質は(赤)ハートなので
目の前にいるハートのクィーンがにせものだと
感づいていて、あんたおかしいと言いたくなります。
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ここまで説明した時A子さんは
「うんうん、わかる」と言いました。
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「そうなんだぁーー。だからふたりで
やりあいっこしていたんだぁ!」
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私は言いました。
「これ、ここで注目してほしいのは
水面下の『本当の姿』はふたりとも気づいていない
っていうことです。
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「え? どういうこと?」とA子さんは
尋ねました。
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「例えば B子さんは実質ダイヤ(明菜)なのに
ダイヤ(明菜)的な自分がイヤで、
ハート(聖子)をめざしておられたんでしょう。
同じように
あなたも ご自身がハート(聖子)的なのに
自己価値の低さから それを受け入れられなくて
私は絶対にダイヤ(明菜)だぁーーーと磨いていかれた。
本当の自分を知らなかったのです。
それはふたりとも本当の自分を知らなかったのです。」
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A子さんは うなづいていました。
「そうそう、確かに私は先生に言われるまでは
自分には聖子タイプのひとかけらもないもの、
って思い込んでいました。」
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「そう。ですから
それはそのままよく見れば、
互いの良さを知っていたともいえます。
無意識かもしれませんが」
と言いますと、
A子さんは「え? うそ! 私とB子は
喧嘩ばっかりしていて 互いの良さなんか
知っていませんよ。互いの悪いさばっかり
知っていますよ。」と言いながら腕を組みました。
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「A子さん、あなたはおっしゃいませんでした?
B子さんのアイドルみたいなふりを見て、B子らしくない、と
思われたんでしょう。
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そしてB子さんの良さは自然体で 言いたいことを言う時の
パワーをそのまま出すことである、と知っておられますね。
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あなたA子さんはB子さんのもともとの持ち味である、
明菜さん的なあり方を、あなたは目指されました。
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B子さんはあなたをみてどこかで聖子的なものを
本質的にもっているものとしてとらえていました。
聖子さんになりたがったB子さんはどこかで
あなたの本質的な聖子さん的なところを認めていた
のだと思いますよ。
頭では認めたくないのかもしれませんが、
潜在意識では、あなたもB子さんも互いを
互いの魅力を認め合っていた、
だからこそ
羨ましくて、やりあいっこしていた
ということに
なります。」
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そう申し上げましたら、
A子さんは、整理しつつ驚きつつ
言いました。
「え! わたしはB子が 互いに認め合っていた!
え! わたしとB子は 互いに羨ましがっていた!
だから
わたしとB子は 互いにやりあいっこしていた、
っていうことなの?
本当は互いに
思いが交差していた、
認め合いながら、羨ましがりながら、
足のひっぱりあいをしながら
こうしたらいいのよ、と 言っていた?」
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「私の見立てでは
そういうことになりますねー」
と言いましたら、
A子さんは
「それじゃあ、いままでB子と二人
仲が悪いようないいような、
不思議な関係だったのは
そういうことだったのか」
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A子さんは「しばらく考えてみる。」と言って
その場から立ち去りました。
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その後A子さんから季節のお便りのはがきが
届きました。
その中にこういう一筋がありました。
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「先生、先日はB子と私の関係のこと
話してくださり、ありがとうございました。
あれは こたえました。
先生の話だと、わたしの方こそB子にジャッジ
しているんだよ、ということなんですね。
それを自覚したとたん、B子があまりわたしに
きびしく言わなくなりました。そしてわたしも
わたしはわたし、B子はB子の生活があるんだ、
という当たり前なことに今頃気が付きました。
先生、どうもありがとうございました。」
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最後に
この記事は似たケースが数件あるものを
混ぜてひとつの物語として作り直したものです。
フィクションですけど、いくつかの実話をもとにしたものです。
ですからA子もB子も架空のものです。