セラピストのつぶやき トラウマとからだの記憶解放 柳澤由理

もうなんでこんな人生なんやと思ったら宇治のゆりさん所まで来なさい。

ひろみの青い空8

おばさんの畑に近づくと、トマトが実っているのが見えました。赤い色がはちきれそうな位に輝いていて、見るからに美味しそうなトマトです。
ひろみは思わず近寄りました。
「わぁートマト! 美味しそう! それに胡瓜!」
「ひろみ、はい、これの布袋に入れてね。あ、胡瓜の刺は意外に痛いから気をつけて。」
「胡瓜の刺?」
「そうよ、はい、軍手をはめて。」
「はぁい。あ、本当だ、こぉんなに刺があるだなんて、知らなかった。」
「この胡瓜はそういう品種なのよ。」
「そうなんだ、スーパーで見るのとは違うね。」
「同じのを育てる、なんて意味ないじゃない? どうせ自家栽培するなら変わった品種を植えてみたいじゃない?」
「あ、そうですね。うんうん。」
ひろみにはその胡瓜が新鮮でした。新鮮な胡瓜だというだけでなく、おばの史子の着眼点が新鮮でした。
「何でも周りと同じでないといけない、て言うことはないんだ。」
と小さい声で呟きながら胡瓜とトマトの収穫を手伝いました。
トマトと胡瓜の収穫が終わると、その隣の色々な木や低木がある所に来ました。
「ひろみ、ありがとう。こっちの日陰で一休みしてから次の作業ね。」
「はぁい。」ひろみは史子から受け取ったおにぎりにかぶりつきながら聞きました。「おばさん、次は何をするの?」
「あのね、スープの出汁を取る時に使うローレルの葉っぱとかオレガノの実とか取るんだけど、今日はローレルの葉だけにしとくわ。」
「へえー、ローレルの葉っぱ。あれって売ってる物だと思ってた。」
「何を言ってるの、どんな物もそれを育てる農家の人がいてこそ、商品化されて店に並ぶのよ。」
「あぁ、そうか。そういえばそう。うん、確かに。」
ひろみはおばの史子の所に来ると、忘れている当たり前な事をもう一度思い出す感じがしました。