セラピストのつぶやき トラウマとからだの記憶解放 柳澤由理

もうなんでこんな人生なんやと思ったら宇治のゆりさん所まで来なさい。

児童文学『ひろみの広い空』1

 ひろみは一人で慣れない駅のベンチにいました。夏のあつい日差しが照り付けていました。
 そこは人気のない駅でした。足元に置いたキャンパス地のかばんには、お母さんから持っていくように頼まれた色々な物が入っていました。
その外側のポケットから一枚の紙を取り出して見ました。そこはお母さんの字で乗り換えの駅と時間が書かれていました。

「大阪駅 8時
↓井奈香線急行
奈香駅9時
(乗り換え)
奈香駅9時15分
↓井奈香線 各駅停車
多良多良駅10時半
(乗り換え)
多良多良駅10時50分
↓中中線
中多良駅11時半」

ひろみはつい文句を言いました。
「多良多良線。たらたら線って何なの! 各駅停車ってめっちや鈍行! 文句たらたら言いたくなる! 」
ひろみの背後には、「中多良駅」と書いた錆びた看板がありました。
「ひろみちゃん、大きくなったわね。」と声がしました。見てみると向こうから傘を差した人がやってくるのが見えました。